米沢隆司代表(23)は「期間中は日本語を一切禁止。生活もすべて英語でこなし、お互いに自信をつけている」と語る。
合宿は有志の学生や若手の社会人が準備し、ほぼ年2回、東京近郊で開催する。毎回、学生を中心に全国から30人ほどの参加者が集まり、参加者の中から有志を募って次回の委員が生まれる。
プログラムには討論やスピーチのほか、寸劇などのレクリエーションもある。参加者の学力は問わない。教材は手作りだが、講師は留学生らネイティブスピーカー数人が務める。
起源は昭和43年、故エドウィン・ライシャワー元米駐日大使らの提唱で設立された財団法人・語学教育振興会にさかのぼる。語学教育振興会が経済界の支援を受け、プログラム「大学生英語ITC」を定期的に開催した。その後、振興会が解散したあと、ITCの終了を惜しむ有志が60年春、自主的に現在の組織を設立した。参加経験者が、関西地区で別のITCを設立したり、教え子を対象にしたITCを開催したりと、最初にできた組織を核に活動の輪は広がっている。
いまは短期の語学留学が気軽にできる時代。
元委員の鹿摩尚子さん(28)は「高い費用をかけて留学しても、現地で知り合った日本人学生と日本語で話すことが多くなり、効果は半減している。年2回でもITCに繰り返し参加することで、英語の力は伸びる」と話す。鹿摩さんらは、新たに首都圏を中心にした卒業生ITCの設立を計画している。
顧問の神奈川大学の伊藤克敏教授(英語・心理言語学)は「学習者同士という同じ立場で、互いに伸ばし合っている。自主的な活動のため学習意欲も大きい」と強調する。
TEL044・856・3556(米沢代表宅)